うちのワンコ、歯石がついてるみたい・・・犬の歯石除去ってどのくらいお金がかかるんだろう?
そんな悩みを抱えていませんか?
そこで当記事では、犬の歯石除去(スケーリング)の料金の相場を、実際の動物病院などの料金を例にあげてご紹介します。
【犬の歯石を放置すると恐ろしい歯周病に!】
犬の歯石を放置すると歯肉炎、歯周炎、歯周病に進行し、そのまま放置しておくと顔に穴があいて膿が出たり、最悪の場合は顎が溶けて骨折することもあります。
それだけではなく、血液中に入った歯周病菌が慢性心不全や慢性腎不全を引き起こしたりします。(両方とも一度かかってしまうと完治できない命に関わる病気です)
歯石は見た目の問題だけでなく犬の健康を脅かす存在なので、歯石の除去も大切ですが、日頃から歯石の予防に努めましょう。
犬の歯石除去(スケーリング)の料金はどのくらい?
犬の歯石を除去(スケーリング)するには、次の方法があります。
- 麻酔をかけて行う【動物病院で】
- 無麻酔で行う【動物病院で】
- 無麻酔で行う【トリミングサロン、しつけ教室、ペットショップなどで】
- 自分で器具を使って行う【自宅で】
この4つのパターンについて、犬の歯石除去の料金の相場をご紹介します。
1. 麻酔をかけて行う【動物病院で】
▶ 20,000~50,000円ほど
全身麻酔で犬の歯石除去を行う場合、相場は20,000円~50,000円ほどです。
金額は、おもに犬の年齢、体重(麻酔の使用量が変わるため)、歯石の進行程度で決まることが多いようです。
費用の内訳としてはおもに術前検査、全身麻酔、歯石除去となります(抜歯や縫合が必要な場合は料金がこれに加算されることが多いです)
処置を行う前に、犬が麻酔に耐えられるかどうかの検査(血液検査、レントゲン、問診など)を行います。
全身麻酔は麻酔死のリスクがあるので、処置前に獣医師からの説明をしっかり聞いておくのと、犬の健康状態や既往歴をきちんと伝えておきましょう。
歯石除去の一般的な処置方法としては、超音波スケーラーで歯石を除去し、再発防止のために歯をコーティングする(仕上げ研磨)という流れになります。
【東京都渋谷区】動物病院1
犬全身麻酔下歯石除去(小型犬) 診察 ¥1,000 血液検査 ¥8,500 レントゲン(2枚) ¥5,000 血管確保 ¥3,000 静脈点滴処置保 ¥2,000 静脈点滴 薬価 ¥1,000 ・麻酔前投与薬・導入費用 ¥4,000 吸入麻酔 ¥10,000 歯石処置 スケーリング ¥7,000 歯石処置 ポリッシング ¥3,000 合計 ¥44,500 ※抜歯が必要な場合は、別途費用が必要になります。
出典:代官山動物病院
【千葉県松戸市】動物病院2
全身麻酔がご不安な方は、一度ご相談ください。
年齢・全身状態を考慮して判断いたします。
また当院では必ず、麻酔前検査を実施しております。
麻酔がかけられないと判断した場合は、ほかの方法をご提案いたします。
麻酔前検査
(血液検査・レントゲン検査など)約 10,000円~ 歯石除去
(スケーリング・ポリッシング・麻酔料込み)20,000円 抜歯・縫合処置
(複根歯抜歯、縫合などの場合)約 10,000円 出典:松戸うがた動物病院
【千葉県成田市】動物病院3
●歯石除去 ※完全予約制※ ※日帰り処置となります※
犬 10kg未満 20,000円 10~20kg未満 25,000円 20kg~ 30,000円 猫 18,000円 ※上記料金には、麻酔・注射(抗生剤)・静脈カテーテル留置・術中点滴の料金がすべて含まれております。
※口腔内の状態により、抜歯・鎮痛剤の注射・施術後の抗生剤の内服等が必要となる場合もあります。出典:かまやち動物病院
2. 無麻酔で行う【動物病院で】
▶ 3,000~8,000円ほど
麻酔を使用しない分だけ料金は3,000円~8,000円ほどとかなり割安になっています。
しかしながら、無麻酔で歯石除去ができるのは基本的に目に見える部分(歯肉の外側)だけです。
外から見えない歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)を綺麗にすることが歯周病の根本的な治療になりますが、歯周ポケットを処置する際には痛みは避けられないため、無麻酔で根本的な歯周病の治療を行うことは非常に困難です。
また
- 力ずくで処置したために口の中をケガしたり歯が折れてしまった
- 処置のために押さえつけたことで顎を骨折、脱臼してしまった
- 歯周ポケットまでは処置できないので、見た目は綺麗になったが歯周病は悪化してしまった
- 処置後、口を触ることや歯磨きをさせてくれなくなった(処置のときに与えた痛みがトラウマになって)
- 心臓疾患を抱えている犬を押さえつけたために呼吸困難から死亡してしまった
といったことも報告されているようです。
ただし、高齢犬や持病持ち等の理由で麻酔がかけられない場合や、軽度の歯周病の場合は無麻酔で治療が行われることもあります。
最近では、老犬や持病を持っている犬に対する麻酔のリスクを考慮して、麻酔なしで歯石除去を行う病院が増えているようです。
動物病院1
|
動物病院2
同病院でワクチン・フィラリア予防をした犬 2,160円~ 上記以外 10,800円~30分~1時間/1回 |
動物病院3
超音波スケーリング(軽度・30分以内) 6,825円 |
3. 無麻酔で行う【トリミングサロン、しつけ教室、ペットショップなどで】
▶ トリミングサロン
トリミング料金+1,000円~3,000円ほど(シャンプーやカットなどのオプション料金になっているお店は)
▶ しつけ教室、ペットショップなど
5,000円~20,000円ほど
無麻酔で犬の歯石除去を行っているトリミングサロン、ペットショップ、しつけ教室などもあります。
このようなお店で行う無麻酔の歯石除去サービスは、動物病院で全身麻酔をかけて歯石除去するよりもはるかに安価で手軽に行える反面、すでに説明したように無麻酔のリスクやデメリットは無視できないほど大きいです。(効果が小さい上に危険も大きい)
特に、犬が出血したり呼吸困難などになった場合、獣医師ではない者が適切に対応できるのかを考えると非常に不安が残ります。
獣医師免許のない者による無麻酔での歯石除去のトラブルも報告されているので、このようなお店での犬の歯石除去はおすすめしません。
4. 自分で器具を使って行う【自宅で】
▶ 犬用 3,000~5,000円ほど
▶ 人間用 2,000~3,000円ほど
自宅で出来る犬の歯石除去グッズには、以下のようなものがあります。
- スケーラー
- 鉗子(カンシ)
- 歯石取りペンチ
- 歯石取りスプレー
- 歯石取り用ジェル
- 歯石取りシート
- デンタルケアガム
このうち、「1.スケーラー」「2.鉗子(カンシ)」「3.歯石取りペンチ」は先端が尖った硬い器具によって歯石を取るものなので、素人が扱うには危険が多く、犬の口の中や歯を傷つけてしまい出血や最悪の場合大きなケガにつながることもあるのでおすすめしません。(歯を傷つけてしまうと逆に歯石がつきやすくなるというリスクもあります)
もし自宅で歯石除去したいのであれば、「4.歯石取りスプレー」「5.歯石取り用ジェル」「6.歯石取りシート」「7.デンタルケアガム」といった、犬の口や歯を傷つける心配のないものを選びましょう。(7.デンタルケアガムは、あまりにも硬すぎるものは歯が欠けたり折れたりすることもあるので、素材の硬さにも配慮しましょう)
またこういった自宅での犬の歯石除去グッズは、あくまでも進行が軽度の歯石除去や歯石の予防でのみ効果を発揮するものであって、歯周ポケット(歯と歯茎の間)の処置はまず不可能です。
歯周ポケットなどの外から見えない部分も綺麗にしないと歯周病の根本的な治療にならないため、もし歯周病の症状がみられた場合は必ず動物病院で診察を受けましょう。
参考までに、それぞれの自宅除去グッズの料金相場をご紹介します。
1. スケーラー
▶ 犬用 3,000~5,000円位
▶ 人間用 2,000~3,000円位
歯石をこそぎ取るようにして使うもので、使った後には煮沸消毒(殺菌)をして乾燥させます。
スケーラーは刃物でもあるので、犬にケガをさせないよう細心の注意が必要です。
2. 鉗子(カンシ)
▶ 主流 1,000~2,000円
▶ プロ仕様 8,000円以上
鉗子(カンシ)とは、ハサミのような形状で先っぽがギザギザしてるものです。
カンシで歯の先端と歯石を挟むことで歯石をはじき飛ばします。
スケーラーと同様に、犬の歯や口の中に傷をつけないよう注意が必要です。
3. 歯石取りペンチ
▶ 9,000円ほど
鉗子と同様の使い方です。
4. 歯石取りスプレー
▶ 2,000円~6,000円ほど
スプレーは毎日使う必要があるので1本1本の値段は安くても、長期的に見ると動物病院で治療を受けるのと同じくらい金額がかかることもあります。
犬の口の中や歯を傷つける心配がないのがメリットです。
歯ブラシなどと併用すると効果的です。
5. 歯石取り用ジェル
▶ 3,500円~4,000円ほど
歯石を浮かせるタイプや、歯石を溶かすタイプなどがあります。
犬の口の中や歯を傷つける心配がないのがメリットです。
歯ブラシなどと併用すると効果的です。
6. 歯石取りシート
▶ 2,500円ほど
研磨剤が使われているシートで歯を磨いて歯石を取り除きます。
あまり強くこすりすぎると歯を傷つけることがあるので注意が必要です。
7. デンタルケアガム
▶ 数百円~
硬めのガムを噛むことで、犬の歯石を取り除きます。
これだけで歯石が綺麗とれるわけではないので、あくまでも補助として使いましょう。
あまりにも硬いガムは歯が欠けたり折れることもあるので、硬さには十分注意してください。(牛の蹄のような硬すぎるガムは避けましょう)
犬の歯石取り(除去)の費用に保険はきくの?
基本的にどのペット保険でも、「歯周病等の予防」や「美容」の目的で行う歯石除去は補償対象外です。
ただし、犬の歯周病などの治療の一環としての歯石除去であれば、補償対象にしているペット保険もあります。
以下がその一例です。
- アニコム損保
- アイペット
- e-pet
- ペットサポート (PS保険)
- ペット&ファミリー損保
1. アニコム損保
症状がない場合や美容目的の歯石取りの場合は、保険の対象となりません。
ただし、歯周病等の歯科口腔内症状があり、治療の一環と
して行う歯石取りは保険の対象となります。出典:アニコム損害保険株式会社
3. e-pet
歯周病と診断された場合の歯石除去は、補償対象となりますか?
歯周病の治療の一環として行われる歯石除去は、補償対象となります。
※歯周病予防を目的とした歯石除去は、補償対象外となります。出典:e-pet
各ペット保険でプランなどの細かな違いがあるので、各保険会社の「重要事項説明書」や「約款」で確認してみてください。
ネットから無料で資料請求できますので、それぞれ比較してみることをおすすめします。
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