比較的珍しい犬種であるウルフドッグ(狼犬)についてご紹介します。
日本国内では、500頭ほどのウルフドッグが飼育されています。
そこで当記事では、
ウルフドッグについて「値段の相場は?」「販売店(ブリーダー)や里親のサイト一覧を見たい!」「日本で飼えるの?」「危険なの?」などの疑問にお答えしています!
オオカミと犬の特性を兼ね備えるウルフドッグの魅力をぜひご覧ください!
ウルフドッグの値段の相場(日本国内)
▶ 30万円~50万円
ウルフドッグのブリーダーサイトに掲載されている値段によると、 30万円~50万円ほどです。
ウルフドッグの年齢(月齢)、毛色、骨格、大きさなどによって金額が変わってきます。
オオカミの血が濃いほど値段が高くなり、100万円を超えるウルフドッグもいるそうです。
ウルフドッグの購入方法(子犬含む)
ウルフドッグをペットショップで見かけることはまずありません。
ウルフドッグを購入するには
- 国内のブリーダーから購入する(販売サイトがあります)
- 里親募集サイトを利用する
- 輸入代行業者を使って海外から輸入する
などの方法がありますが、国内ブリーダーからの購入または里親募集サイトの利用が一般的です。
ブリーダーでウルフドッグの子犬を購入するときは、親犬も見せてもらうと将来どのような大きさ、外見になるのかおよその見当がつきます。
販売店(ブリーダー)の一覧
ウルフドッグを購入できる販売店(ブリーダー)の一覧です。
常にウルフドッグがいるとは限らないお店もありますので、詳しくは公式サイトで確認してください。
販売店(ブリーダー)の場所 | 販売店(ブリーダー)のサイト |
日本全国 | dogoo |
日本全国 | ペットの窓口 |
北海道 | Crystal Dogs |
北海道 | SILVERY WOLF KENNEL |
新潟県 | 越後一千龍犬舎 |
宮城県 | エブリわん |
神奈川県 | L:one.net |
神奈川県 | AngelWan(エンジェルワン) |
静岡県 | LUPUS DEI |
長野県 | ハイブリットウルフ犬舎 |
奈良県 | WILD BULLET |
里親募集サイトの一覧
ウルフドッグは珍しい犬種なので、数が少なく募集していない時も多いです。
こまめにサイトをチェックすることをおすすめします。
地域 | 里親募集サイト |
日本全国 | dogoo |
日本全国 | ペットのおうち |
日本全国 | ジモティー |
兵庫県 | アニマルランド神崎 |
兵庫県 | 楽しいお山 |
大阪府 | ワールド牧場 |
ウルフドッグ(狼犬)の性格は危険?飼育やしつけは難しい?
ウルフドッグとは、オオカミ(ウルフ)と犬(ドッグ)をかけ合わせた大型犬種です。
ウルフドッグの性格や特徴は、狼の血の濃さ(割合)によって違いが出るため個体差はありますが、傾向としては次のとおりです。
- オオカミの血が濃いほどオオカミに近い
- 犬よりも警戒心、社会性、自立心が強く、犬よりも高い能力(言語能力、運動能力、嗅覚、防衛能力)を持ち、犬の従順さも兼ね備える
- 犬のようにはなつかない
- 多くの運動量が必要(部屋飼いは難しい)
- 多頭飼いは可能
それでは詳しく解説します。
オオカミの血が濃いほどオオカミに近い
オオカミの血の割合が高いほどオオカミの外見や気質に近くなりますし、犬の血の割合が高いほど犬に近くなります。
例えば、25%、50%、75%以上(ハイパーセント)のウルフドッグはあまりにも野性味や気質が異なるため、まったく別の犬種として扱うべきとするブリーダーもいます。
やはり危険?北海道ではウルフドッグの事故も…
ウルフドッグの危険性を象徴するような事故が、2015年7月に北海道で起こっています。
女性が3匹のウルフドッグに襲われて死亡したという事故です。
女性はその3匹のウルフドッグのかつての飼い主だったのですが、ブリーダー経験者によると「飼い主がいないところに、家に侵入者が現れたと判断したのでは」とのこと。
この事件は、ウルフドッグの野生(危険性)を忘れてはならないということ、またいくら飼い主に従順なウルフドッグであっても、飼い主がいないときに第三者とウルフドッグを会わせることがいかに危険であるかということは教訓にすべきでしょう。
犬よりも警戒心、社会性、自立心が強く、犬よりも高い能力(言語能力、運動能力、嗅覚、防衛能力)を持ち、犬の従順さも兼ね備える
ウルフドッグは犬に比べて非常に警戒心が強い分、自然界で生き残ろうとする本能から仲間と認めたものとは良好な信頼関係を築こうとします。
そのためウルフドッグは犬よりも高度な社会性をもち、その仲間意識の強さは犬よりもはるかに強固なものです。
このような性格から、飼い主を仲間と認めリーダーとして認めていれば、ウルフドッグはむやみに人間を襲う事はありません。
ただし、犬よりも自立心が強く飼い主の思い通りにならない場合もあり、自分で物事を考えて行動することがあります。(飼い主に全く従わないというわけではありません)
特にハイパーセント(一般的にオオカミの血の割合が75%以上)のウルフドッグは、独特の気質があるため飼育やしつけが難しいといわれています。
特にオオカミの血が濃いウルフドッグは、成長するにつれて警戒心が強くなり飼い主になつかなくなってしまい散歩にも行けなくなってしまった、という例は珍しくありません。
これまで何百匹という犬のしつけや訓練をしてきた犬の訓練士も、ウルフドッグには挫折してしまった例もあるそうです。
このようにウルフドッグは犬に比べてしつけが非常に難しいため、育て方を間違えると危険極まりない手の負えない犬になってしまいます。
そのため、犬の飼育やしつけとは全く違う意識をもつことが必要になります。
また、オオカミは犬よりも高い能力(言語能力、運動能力、嗅覚、防衛能力など)を持つといわれています。
これらの能力は、犬が人間に飼いならされていくうちに身に付けた従順さと引き換えに衰えてしまったオオカミの特性です。
この犬の衰えた能力を補うためにオオカミと犬を交配させて作り出したウルフドッグは、作業犬、使役犬、軍用犬、警察犬、ソリ犬、北海道のヒグマを追い払うベアドッグなどで活躍しており、極めて高い実績を残しています。
ウルフドッグはその危険性ばかりが取りざたされることもありますが、本当にコントロールのできない危険な犬ならば、作業犬、使役犬、警察犬、ベアドッグなどに使われるはずはありません。
そのため一貫した正しい方法で育てれば、ウルフドッグは飼い主に極めて忠実な生涯の友になってくれるでしょう。
犬のようにはなつかない
個体差やオオカミの遺伝子の濃さにもよりますが、基本的にウルフドッグは人間にはあまりなつきません。
これは飼い主をリーダーとして認めない、従わないというわけではなく「犬と違って、飼い主とのスキンシップはあまり好まない」と表現した方が適切かもしれません。
そのため、ウルフドッグとは一定の距離感を保った信頼関係を築くことができるといえます。
多くの運動量が必要(部屋飼いは難しい)
ウルフドッグには非常に多くの運動量が必要で、理想的な運動量は1日2~3時間以上とされています。
そのため、日常的に安全な敷地(大きな庭や運動場など)で運動をさせるか、自転車などを使って走らせることが必要になります。
運動不足になると、ストレスが溜まってしつけ等に悪影響を及ぼすため要注意です。
運動能力も非常に高く、個体にもよりますが2~3mの柵を軽々と飛び越えるほどで、これは普通の家であれば軽くジャンプするだけで天井の位置にあるモノをくわえることができるということです。
そのためマンションでの飼育には向きませんし、一戸建てであっても隣家と密接している場合は飼育するには難しいでしょう。
またウルフドッグの部屋飼いもおすすめできません。(生後6か月で部屋飼いを断念する飼い主が多いそうです)
ウルフドッグは大型犬の部類に入りますし、力も非常に強くウルフドッグを制御できるだけの飼い主の体力も必要です。
このような理由からウルフドッグを飼育するためには、
- 有り余る運動量を消費させてあげること
- 高い運動能力を発揮できる場所を確保できること
- 大量の食事の確保できること
- 相当の飼い主の体力、経済力、時間の余裕
が必要です。
したがって、最低でもこれらの条件を満たしていないと、しつけどころか飼育すらままならないことになるでしょう。
多頭飼いは可能
ウルフドッグは他の犬と一緒に飼うこともできます。
先住犬が家の色々な決まり事を教えてくれるので、飼い主のしつけや訓練の負担が減るというメリットがあります。(もちろん飼い主によるしつけも必要)
しかし、先住犬とあまりにも体格差や運動量の差がありすぎると遊んだりするときに体力的についていけなかったりケガをするなどの不都合が出てくるので、先住犬は運動量の多い大型犬が望ましいでしょう。
ウルフドッグ(狼犬)は日本でも飼えるの?
日本国内では今のところ、ウルフドッグは「特定動物」に該当しないので、飼育することは法律で禁じられていません。
ただし、ウルフドッグは各都道府県・市区町村が定める「特定犬」に該当する可能性があります。
例えば、茨城県では次に該当する犬が「特定犬」となります。
- 人に危害を加えるおそれのあるものとして定める8犬種
- 体高60センチメートルかつ体長70センチメートル以上の犬(雑種含む)
- 県知事が指定した犬
出典:茨城県
このうちウルフドッグの大きさによって、2の『体高60センチメートルかつ体長70センチメートル以上の犬(雑種含む)』に該当する可能性があります。
茨城県では「特定犬」に該当した場合には、
・特定犬は「おり」の中で飼うこと。
・特定犬である旨の標識(ラベル)を掲示すること。
出典:茨城県
が義務となります。
当然ながら、「人畜に危害を加えないように飼育すること」が大前提となります。
「特定犬」に該当する条件などは各都道府県・市区町村によって異なりますので、お住まいの窓口に確認してください。
ウルフドッグ(狼犬)とは?
名前から見当がつくと思いますが、ウルフドッグとはオオカミ(ウルフ)と犬(ドッグ)をかけ合わせた大型犬種です。
ウルフドッグは、おもに家畜化されたオオカミとハスキーやシェパードなどの犬種を交配させることで誕生しました。
なお、JKC(ジャパンケネルクラブ)で犬種として認められるウルフドッグはFCI公認のサーロス・ウルフホンドとチェコスロバキアン・ウルフドッグだけなので、その他の日本でよく見るウルフドッグ(アラスカやカナダから輸入された交雑種)は、犬種として正式に認められていません。
ウルフドッグの呼び方は特に決まっておらず、日本では狼犬(おおかみけん、ろうけん)、英語ではハイブリッドウルフ、ウルフハイブリッド、ウルフドッグなど様々な呼び方があります。
また「オオカミ犬の血が何パーセント以上になればウルフドッグになるのか」の決まりもはっきりとしていません。
ウルフドッグ(狼犬)の平均寿命
▶ 10歳~12歳
ウルフドッグの平均寿命は10歳~12歳です。
これは一般的な大型犬と同じくらいです。
ウルフドッグ(狼犬)の大きさ
▶ 体高:66~81cm
▶ 体重:45~70kg
個体によっては、犬でいうところの「超大型犬」のサイズになることも珍しくありません。
ウルフドッグ(狼犬)のハイパーセントとは?
ウルフドッグにはオオカミと犬の両方の血が混ざっているわけですが、当然ながらオオカミの血の割合が多い犬(狼の血が濃い犬)ほど外見も気質もオオカミに近くなります。
一般的にはオオカミの血が75%以上になるとハイパーセントと呼ばれますが、何%以上がハイ(High)で、何%以下がロウ(Low)となるのかのはっきりとした決まりはありません。
オオカミの血の数値が低い(=犬の血の数値が高い)方が飼育しやすくなりますが、ウルフドッグの野性味を求める人は、オオカミの血が濃い個体を好む傾向があります。
なお、世界で犬種として認められているウルフドッグのパーセンテージは25%ほどだといわれています。
ウルフドッグを販売しているブリーダーのサイトで、「○○%」の表記を確認できます。
ウルフドッグ(狼犬)の種類は?
ウルフドッグの種類は1つではなく、次のような複数の種類があります。
- サールロースウルフドッグ
- チェコスロバキアンウルフドッグ
- クンミングウルフドッグ
なお、一般的に日本国内で飼育されているウルフドッグは上記に該当せず、正式に認められた犬種ではありません。
サールロースウルフドッグ
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- 原産国:オランダ
- 体高:60~75cm
- 体重:36~41kg
- 分類:大型犬
- FCI(国際畜犬連盟)の公認犬種
サールロースウルフドッグは、1930年代にジャーマンシェパードとオオカミを交配させてつくり出された犬種です。
全体的にオオカミと犬の間くらいの外見ですが、顔立ちや毛色はオオカミの特徴を色濃く受け継いでいます。
立ち耳にふさふさした垂れ尾で、被毛はショートコートです。
運動量は非常に多くエネルギーにあふれています。
性格は警戒心が強いが、リーダーや仲間と認めた飼い主や家族に対しては深い愛情を示すので、優秀な家庭犬になる素質をもっています。
しかし、しつけや訓練の方法を誤れば主従関係が逆転して大きな事故につながりかねないため、初心者が飼育するには困難を極めます。
現在では、ドッグショーやドッグスポーツなどでも活躍しています。
チェコスロバキアンウルフドッグ
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- 原産国:旧チェコスロバキア
- 体高:オス 最低65cm、メス 最低60cm
- 体重:オス 最低26kg、メス 最低20kg
- 分類:大型犬
- FCI(国際畜犬連盟)の公認犬種
サーロスウルフホンドよりも犬の特性を強く受け継いでいますが、外見はオオカミに非常に似ています。
立ち耳にふさふさした垂れ尾。
被毛は長めのダブルコートで、冬毛と夏毛はボリュームが大きく変わります。
被毛の色は、イエローグレーからシルバーグレーが基本です。
性格はあまり社交的ではありませんが、おとなしくて従順なので正しい訓練・しつけを行えば子供や小動物とも良好な関係を築くことができます。
警戒心が強い反面、勇敢で怖いもの知らずな一面もあります。
クンミングウルフドッグ
- 原産国:中国
- 体高:64~68 cm
- 体重:体重30~38 kg
- 分類:大型犬
クンミングウルフドッグは、1950年代にオオカミ、優秀な警察犬、ジャーマンシェパードドッグを掛け合わせて誕生したといわれています。
クンミングウルフドッグは、現在ではおもに軍用犬、警察犬、番犬として活躍していますが、家庭犬(ペット)として飼われているものもいます。
2008年の北京オリンピックで警備に使われたことで、一般に認知されるようになりました。
外見はジャーマンシェパードドッグに似ていて、被毛はスムースコート、立ち耳と垂れ尾です。
脚が長く体高が高いのが特徴的です。
ウルフドッグとしては珍しく、社交的で人になつきやすい性格をしています。
他のウルフドッグと同様、高い運動能力を持ち、運動量も多く長時間の散歩が必要になります。
有名犬のウルフドッグ(狼犬)のロキ
有名なウルフドッグの「ロキ」は、ホッキョクオオカミ、シベリアンハスキー、アラスカンマラミュートのミックス犬です。
ロキは冒険家の飼い主とともに大自然を旅しています。
巨大な身体と野性味あふれる姿はオオカミと見まごうほど!
その勇ましい姿とは対照的に、飼い主に甘えん坊なところがとっても可愛いですよ。
インスタグラムでもロキの画像がたくさんアップされています。
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